Design insight

世界の某都市でプロダクトデザイナーとして活動しています。デザイナーとして印象に残ったデザインに対し、自分の意見や分析を書いていきます。

Balumuda the pot

 

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独自の視点で家電の開発を続けているBalumuda のthe pot です。

まず初めにbalumuda というブランドについての私の印象を言っておくと、非常に素晴らしい会社だと思っています。大手のメーカーは同じような商品性やデザインで個性のない製品を作り続けている中で、balumuda は会社としての視点を持って開発をしているように感じるからです。

どの製品も、ただ表のデザインをよくするだけでなく、エンジニアリング的な視点でも工夫を盛り込んで、ユーザー目線でしっかり恩恵が感じられるような開発がされていると思います。

そして今回のthe potですが、balumuda らしく他メーカーが出している電気ポットとはまず全く違う見た目をしています。大きく違うのは注ぎ口と取っ手部分にあるライトでしょう。

 

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注ぎ口はドリップコーヒーがやりやすいようになっているようです。そして私が気に入っているにはこのライトに部分。 電球のような光り方をするライトが配置されており、キッチンに置かれるものとして単なる家電にしたくないという思いが感じられます。普通であれば誰もがやっているLEDを何の疑いもなく入れるところで、あえてこのライトを選択しているところがこの商品をよりユニークなものにしていると思います。

 

ただ私はもっとアナログなポットに近づけてもよかったのではと思います。

例えばこちらのポット。

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電気ポットではないですが、全体的な印象はthe potによく似ています。しかしハンドル部分から本体部分の結合部分が非常にスッキリしてシンプルであるが故に、よりアナログな仕上がりになっていて、キッチンツールとしての印象が強く感じます。

もちろんthe potの方は電気ポットなので技術的な制約で多く、必要な構造があるのだろうというのは推測できますが、balumuda の製品であるが故にディテールに関してもより明快な表現を期待してしまいます。

 

そういう細かいところはあるにせよ、これまで独自の視点でデザイン的にも素晴らしい製品を生み出し続けているbalumudaの今後のラインナップがどう変わっていくのか、非常に楽しみです。